僕はよく「日本酒について、基本的なことを話してほしい」
「パーティの余興に日本酒トークを、ぜひ」というような依頼を受けます。
たいてい東京のどこか......金曜や土曜の夜に、2時間くらいの企画で。
個人の会合、企業が催すパーティなどなど、主催者も場所も、会場規模もさまざま。
聞いてくれるお客さんも老若男女、いろいろな方がいます。
ほとんど毎回、出席者の皆さんは熱心に耳を傾けてくれ、後から質問を受けたり、
利き酒の感想を話してくれたり。
とくに在日外国人の方から「せっかく日本にいるんだから、これからはワインばかりじゃなくて
日本酒にもチャレンジしてみるよ」なんて言ってもらえると、
僕も達成感が味わえて、さらにもっと頑張るぞー! となるのです、
が。
先日の会は、まったく違っていました......。
当日、予定通りの時間に会場入りして準備を整え、プログラム進行を確認したあたりで、
いやーな予感が!
そもそも、そのパーティは、とあるアーティストの作品展を兼ねた会で、
決まった時間に全員が集まり、きっかり始まる、というスタイルではなかったのです。
しかも、場所はいわゆる「ロビー」で、誰も座って落ち着ける場所はなく。
次々に入ってくる招待客は、各々が飲み物を手にとり、そのアーティストの作品を楽しんでいました。
だんだんとお酒が入り、しばらく経って、
「それじゃあこれから日本酒トークが始まります!」などと言ったところで、時、既に遅し......!
だぁれもトークなぞ、聞いてくれる雰囲気じゃなくなっていたのです。
スタッフの人たちは半ば真っ青になって、来場者の皆さんの気を引こうとしますが、
もうそれぞれに盛り上がっている、数十人もの人たち。
どだい無理な話です。
でも、そこであきらめるわけにはいかないのが、この仕事。
当初は45分間で、と依頼を受けていたトークを、頭の中でカット・カット・カーット!
とにかく短く、さくっとまとめて話し終えました。
しかし、あれですね......、
だーれも聞いていないとわかっていながらも、とにかく笑顔で話を進めるのは、
本当にサ・ビ・シ・カッタ......(涙)
これまで何十回、いや、もう何百回となく、
いろいろな方々の前で話をする機会をいただいてきています。
だから、悲しいかな、口で話すことと頭の中で考えていることがまったく違っていても、
すらすらと話をすることができ、任務は無事完了しました......。
ということがあり、なんだかスッキリしない夜でしたが、
落ち込んでいる暇などありません。
秋です!
明日も試飲会! それに大相撲もやっている!
実は、とても幸せなシーズンなのです。