『こどものためのお酒入門』(理論社刊)。
著者は、dancyu誌でもおなじみの山同敦子さん。
なんで子供向けに酒の本?
と思ったが、
前文を読むと、「お酒には飲む楽しみとは別に、知って楽しい物語、つまりドラマがあります。それは、お酒を飲まないみなさんも、きっと関心をもてるはず。」とある。
何をどう飲めばいいのか、とか、何が旨いのか、とは違う楽しみ方が酒の世界にはあることに、改めて気づかせてくれる。いろいろな酒の造り手や酒屋さんなど、酒に携わる人の肉声が読めるところも素敵な本だ。
秋田の浅舞酒造の森谷康市さんが、山同さんの「どんなお酒をつくりたいですか?」というインタビューにこたえて、
「飲んでふっと肩の力が抜けるようなお酒。心が休まるようなお酒です。けんかしたり、闘うような気持ちになるお酒は造りたくない。
日本酒は「なにぬねの」のお酒。なごむ、にこやか、ぬくもり、ねむる、のんびり......。あったか~くお燗にして、家族一緒のご飯のときに飲めるお酒が一番だと思っています。」
こんな文章をうちの子供たちにも読ませたいと思った。



子どもにも酒造りの思いは伝わると思います。私は酒蔵の育ちで(今は企業合同して各社の組合のようになってしまいましたが・・・)、何気なく見ていた造りの姿から30歳を過ぎてから和酒のファンになりました。それで、私達の蔵には地元の小学生が定期的に訪れて、杜氏の話を聞きながら手造りの蔵内を見てまわる活動を数十年続けています。
私は今年40歳を契機に、世界の中の和酒というスタンスを取るべく独立しました。これまでは自社の酒が自分の中心にありましたが、今後は全国の蔵元をまわり、全国の酒を利き、全国の中のこの酒、という舌を持ちたいと思います。世界にも積極的に出向くつもりです。
お酒だけでなく、私自身もドラマになるような人生後半を歩んで生きたいと思っています。